2020年10月16日に生野院長が第74回臨床眼科学会のシンポジウム6「強度近視による失明予防に向けて」にて「強度近視に伴う網脈絡膜合併症」の講演を行いました。

 

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従来、診断が極めて困難であった近視性の網膜疾患は光⼲渉断層計(OCT)により詳細に解明されてきた。中⼼窩分離症は網膜内外層の伸展性の違いで⽣じる。後部ぶどう腫の形成により網膜が分離するが、眼底所⾒では診断が困難で、OCTが必須である。進⾏すると中⼼窩付近から網膜剥離と⻩斑円孔を⽣じる。⼿術適応は未だ議論があるが、中⼼窩網膜剥離により視⼒低下した症例に効果的である。後部硝⼦体剥離作成、内境界膜剥離が標準術式である。⻩斑円孔網膜剥離も同様に⼿術するが、難治例には、シリコンオイルや⻩斑バックルの使⽤を考慮する。
近視性脈絡膜新⽣⾎管は、⼩さな褐⾊病変で、変視を訴えることが多い。⾊素上⽪を穿破して網膜下に侵⼊する脈絡膜新⽣⾎管像がOCTで⾒られ、典型例では、網膜下液や軽度の出⾎を認める。蛍光眼底撮影もしくはOCTアンギオグラフィーが確定診断に有⽤で、抗⾎管新⽣療法が有効である。単回投与で下液の消失と新⽣⾎管の退縮が得られることが多いが、抵抗例や頻回再発例が⾒られ、その対処が今後の課題となろう。
脈絡膜や強膜に強い変形をもたらす強度近視には、上記以外にも多くの多彩かつ特異的病状が存在する。近視性網脈絡膜萎縮やDome-shaped macula、Punctate inner choroidopathy (PIC)などがこれに該当する。緑内障を含む視神経乳頭疾患もきたしやすい。時間があればこれらについても⾔及したい。